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『ヨーロッパ合衆国の正体』トム・リード [書籍:『』「」付記]

「ヨーロッパ合衆国」の正体

「ヨーロッパ合衆国」の正体

  • 作者: トム・リード, 金子 宣子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/08/24
  • メディア: 単行本

この本は授業で書評を書けといわれたので、読みました。そういえばアマゾンで買ったはじめての本になりますか。便利ですね。比較的最近に日本で発売になりました。

 

  本書は現在進行形で統合が進みつつあるEUの現在について書いたものである。本書は難しい理論や制度の話をしているわけではなく、現在のEUが従来のヨーロッパとどれ異なるのか、そしてそれほどのインパクトを与えているかを具体的な話を用いながら、分かりやすく記述している。また、筆者はワシントンポストに勤めるアメリカ人であることもあり、アメリカ人に対してのメッセージをということを念頭においており、アメリカに対してEUがいかなる挑戦を行っており、また現に成功しているかが伝えられているように思う。

 現在のEUの変化は凄まじいものとなってEU域内の人々の生活を変化させ、そして世界に対して影響力を行使しつつある。

 EUの域内では既に国境は大きな役割を果たしておらず、パスポートなど一切の資料を持つことなくパリ、ベルリン、ベルリン、ローマを縦断することが可能であり、実際に人々は休暇のため、仕事のため、またちょっとした買い物のためなどのために旧来の国境を自由に行き来している。そして、統合された市場、単一通貨であるユーロの出現はヨーロッパという巨大な市場を生み出し、企業に対して大きなビジネスチャンスを与えている。また成長したヨーロッパの企業はアメリカにも投資を拡大させ、多くの企業の買収を行っている(なんとアメリカの有名な企業の多くが今やヨーロッパ企業の参加にあるというのだ!)。現在ではE世代と呼ばれる若い人々、自らをドイツ人、とかフランス人ではなくヨーロッパ人というアイデンティティに強い親しみを感じる世代がヨーロッパで自由に仕事を探し、余暇を楽しんでいる。

 この統合された市場はヨーロッパにアメリカに匹敵するような政治的な力をEU-ブリュッセルに与えつつある。かつては世界のルールの殆どはアメリカの思い通りにされてきた。しかし、今ではヨーロッパという巨大市場へ参加するためにはアメリカといえどもEUのルールに従わなければならいようになってきた。このことよく表し、私が個人的に印象深かったのは第4章であり、アメリカ、そして世界有数の企業GEとそのCEOジャック・ウェルチもブリュッセル官僚とEUの基準には従わざるを得なかったのである。

 今やEUはアメリカに匹敵する超大国を意識して行動するようになっている。ユーロはドルを超える基軸通貨としての役割を担いつつある。それまで唯一の超大国として君臨してきたアメリカにとって一見望ましくないように思えるこうした事態に筆者は必ずしもそうではなく、利点もあると主張する。そしてそのためにEUの変化にいまだに鈍感なアメリカ人に対して今こそEUに目を向ける必要があると主張するのである。

このことは戦後アメリカのみを見てきてヨーロッパと疎遠になっている日本にも当てはまるだろう。ブリュッセルの定める基準はアメリカのみならず世界の基準となりつつある、このことは日本も十分に理解しなければならいだろう。筆者もそのことを日本版の発効に際して付言している。

 

…書評ってこんな感じでいいんでしょうかね。よくわからん。


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