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マクロ経済学入門 第9章 インフレとデフレ [マクロ経済学を学ぼう]

前回からかなり時間がかかってしまった。


第9章 インフレとデフレ
1.戦後日本の一般物価水準の推移
・物価指数
  CPI(消費者物価指数) …集計の際に基準時点の各品目の数量を固定し、その構成比でウェイト付けして個別価格を集計(ラスパイラス指数)
  GDPデフレーター …名目GDPと実質GDPの比、事後的に統計(パーシェ指数)

・日本のインフレ…大体安定。石油ショックのときインフレに。80s後半は円高により、90sは景気の低迷により企業物価・消費者物価ともに低い

2.ディマンドプル・インフレーション
・インフレの原因を財市場における需要の増加により、超過需要が発生することに求める
・マネタリストは貨幣供給量が総需要を変化させる最も重要な要因と捉えた上で、名目貨幣供給量が実質国民所得の増加率を上回って増加することがインフレの原因であると捉える。
 cf. 貨幣数量説 M=kPY
(M名目貨幣供給量、P一般物価水準、Y実質国民所得、kマーシャルのkであり不変)
 →Pの上昇はMがYより増加する場合に起こる。
・乗数理論やIS-LM分析の場合、財市場の価格が変化しないのが前提。だが、普通財市場で総需要が増加すれば数量だけでなく、価格も上がるはずである。
 →完全雇用の場合、総需要が増えても総供給が増えないので、乗数理論やIS-LM分析は完全雇用に対応する水準より低い水準にあるときのみ妥当する。

 ⇒完全雇用の場合。政府支出Gを増加させた場合(IS曲線右方へシフト)、Yは増加するはずだが、完全雇用時より所得は増加しないので超過需要になり、インフレが発生。しかし、Mが一定の場合、Pの上昇は実質貨幣供給量M/Pを減少させる。したがって貨幣は超過需要になり、LM曲線は左へシフト。完全雇用国民所得水準まで同じ傾向は続く。
  →最終的にGの増加は国民所得に影響を与えない。

 ⇒完全雇用の場合。Mを増加させると、LM曲線が右にシフト。しかし、完全雇用国民所得より所得は増えない。財市場が超過需要になるので物価水準は上昇し、実質貨幣供給量が減少する。その傾向は完全雇用国民所得の水準まで続く。金融政策は国民所得および利子率に影響を与えない。

3.コストプッシュ・インフレーション
・インフレの原因を需要だけでなく、費用(コスト)に求める。費用が上がれば物価も当然上がると考える。
・過度の賃金上昇はその典型例。日本にとってはとくに原材料の上昇が重要。
・スタグフレーション…不況であるのにインフレが起こっている。この現象はディマンドプルインフレよりコストアップインフレにより適切に説明できる。

4.予想されないインフレのコスト
・インフレの影響をインフレが予想される場合と予想されない場合に分けて考える。
 →予想されないほうがコストは高い。
・利子率…預金する場合、名目利子率は決定されているので、予想されないインフレが起こる場合、名目利子率により調整できず、利子率が実質的に目減りする。
 →預金者の所得が減り、借り手の所得が増加する。
・賃金…名目賃金は同じでも、インフレが起こると労働者の実質賃金は減り所得ロスを被るし、企業はその分所得が増える。
  cf.賃金の物価スライド制…予想されないインフレに対応して給料を変化。
・予想されないインフレは経済に不確実性を与え、経済の効率性に悪影響を与える。

5・予想されたインフレのコスト
・予想されたインフレは、予想されない場合によりもコストを失わずにすむ。人々はそれに対応して行動をとることができる。
・靴のコスト…インフレを予測していたとしてもかかるコストがある。インフレに備え、銀行にお金を預け、利子率を得ようとするが、その分の手間がかかるようになり、それがコストとなる。
・メニューコスト…インフレが起こると商品の価格表を作りかえる必要がある。予想されてもかかるコストである。

6.ハイパー・インフレーション
・インフレ率が極めて高い状況、これをハイパーインフレーションという。
 →共通の原因として政府のハイパワードマネーの増発が行われたことがあげられる。
・ハイパーインフレが起こると、貨幣の保有者が損をして、政府がその分得をする。これをインフレ税という。途上国など政府が十分な税を得られない国家で行われる。
 →ハイパーインフレを行うと政府の信用が損なわれる。

7.デフレーション
・超過供給時に発生。需要不足であることから不況であることが多い。
・予想されたデフレ。メニューコストはかかるが。靴のコストはむしろ減少する。
・予期しないデフレ。デフレ時には借り手ではなく貸し手に所得がシフトする

・デフレスパイラル…景気低迷→デフレ→景気低迷→デフレ・・・と繰り返される状況


マクロ経済学入門 第8章 財政赤字と国債 [マクロ経済学を学ぼう]

数式も出てこないのでゆっくりできます。

第8章 財政赤字と国債
1.財政政策再考
・財政政策…ケインズ理論では乗数効果によって一国の総需要を増加させる。特に増税を行わず、国債を発行する場合にその効果は大きい。
・社会資本の生産力効果…政府支出の増加、公共事業により建設された資本ストック(社会資本、道路.橋など)は乗数効果に加えて、一国の総供給能力をあげるというプラスの効果も期待できる。
・政府支出の拡大はプラスの効果だけではなく何らかのコストを伴う。国債は国の借金を増加させ、それは財政赤字となる。
・国債には、社会資本の蓄積となる支出である建設国債と、社会資本として残らない経費に当てるための赤字国債がある。日本の財政法は赤字国債を原則として禁止している。
  …現在日本では毎年赤字国債が発行されているが特例として毎年発行されるものであり特例国債とも言われている。
・日本の財政赤字…90年代から急激に悪化。

2.国債の発行の問題点
・国債は租税による収入が政府支出を下回ったときに発生。現在の収入に制約されることなく必要な支出を行えるのがメリット。裁量的な財政政策を訴えるケインズ理論にとって重要。
(問題1)国債の負担:国債は将来的に償還する際に税金を徴収する必要がある。→現在増税されるか将来的に増税されるかの差しかない。国債負担を将来世代に転嫁している。
 建設国債の場合、社会資本は将来の世代まで残るから便益を受けることができる。が、赤字国債は便益すら受けれない。
(問題2)国債は利子を生む資産運用であることから民間の貯蓄が国債に回されることになる。しかし、貯蓄は民間投資の資金でもあるから、国債発行により利子率が上昇すれば、クラウディングアウトが発生し、民間投資が減少する。
 →将来の生産力の低下を意味する
(問題3)所得分配上の問題。国債は一部の人が持っているが、その負担は国民が均等に負担する。

3.日本の財政赤字。なぜ借金は増大したのか?
・1964年までは均衡予算の原則が守られる
・1965年に赤字国債、翌年から1970半ばまで建設国債を発行。但しその伸びは緩やか。
・1975年にオイルショックの影響からの不況により赤字国債、以降累積
・1980以降、財政再建路線。90年には赤字国債発行をゼロに。
・1992以降バブル崩壊から公共事業拡大のための建設国債発行増加。
・1994年赤字国債再発行。97年に財政構造改革を目指すも挫折。
・以降拡張的財政政策
・2001以降の小泉改革後も税収減、社会保障費増加に伴い赤字国債増加
  ⇒不況による税収落ち込みに加え、支出の硬直化の存在。さらには公共投資増による景気拡大効果が期待されたことが原因。しかし、日本の潜在的な成長率低下のため、政府支出増も期待したほどの効果を挙げなかった。

4.国債の中立命題(リカードの等価定理)
・ケインズ経済学と異なり、国債発行は経済になんらの影響も与えないという考え。
 →国債発行は将来の増税につながる。
 →家計が将来を見越す限り、一時的に現在が行われたとしても将来的な増税を見越す
 →減税によって一時的に可処分所得が増加しても、合理的な消費者は生涯所得は変化しないと考えるのであり、将来にかけての消費の計画を変化させず、有効需要も増加しない。
・同様のことは国債発行による政府支出の増加にも当てはまる。
「国債発行と増税のマクロ経済に及ぼす影響は同じ」

・国債の償還は長期にわたることから、自らが将来の増税の負担をしなくてもよいこともありえる、そしてその結果負担を免れた世代の消費は増加するのではないかという反論。
 ⇔バロー:人は子や孫の世代まで考えて行動するという利他主義の存在を主張。
・実証研究においては中立命題に対しては否定的な見解が多い
 ①人は利他主義のみによって遺産を残すわけではない
 ②家計の流動性制約、減税されたら可処分所得を増加させることができる
 ③課税は定額税(一括固定額税)だけでなされるわけではない。

5.課税平準化理論
・定額税以外の税制…資源配分の非効率化を生み出す。社会的コスト増加
・バローの課税標準化理論…社会的コストを最小化するために、毎年の社会的コストを平準化するような国債発行を行うほうがよい。
・将来の政府支出の経路に基づいて課税額を標準化することが必要な場合、政府支出が税収より多ければ国債発行により税収不足分を調達するのがよい。


マクロ経済学入門 第7章 [マクロ経済学を学ぼう]

予定より遅れて、やっと後半突入です。内容が理解しがたくなってきました。復習する必要あるようです。


第7章 経済政策はなぜ必要か?
1.景気循環と経済政策
・伝統的な景気循環理論…実質GDPはトレンドの周りを上下に変動する
  ←ケインズ政策では不況期における経済政策の必要性を訴える
・景気循環の原因に関わる説(ケインズ理論、マネタリズム)
  a.市場で価格調整がはたいているか、否か
  b.ショックの主要因は実物的要因であるか、貨幣的要因によるか?
 ⇒ケインズ理論a.× …裁量的な金融財政政策による市場安定化
  マネタリズムa.○b.後者  
   …裁量的な政策を批判、安定的な貨幣供給が経済の安定化につながる
 cf.実質景気循環理論 a.×b.前者(技術進歩、エネルギー価格等)
   …景気循環を需給均衡状態の変動とみる

2.トレンドの変更
・伝統的トレンド理論…一定 ⇒トレンド自体が変動している
・単位根過程…ショックによる変動がそのまま固定。
・トレンド自体が変動する場合、総生産量の増減は潜在的成長力自体の変動が原因となっている。その場合、失業や遊休設備の存在は構造的な要因であり、総需要を増加させるケインズ的な政策は有効ではない。経済政策でなく構造改革が優先
・ケインズ政策はトレンドからの乖離によって好況・不況が生じる経済で重要。

3.IS-LM分析における経済政策の有効性
・IS-LM分析の傾きと財政、金融政策がどれだけ有効か、と連関。
・LM曲線が緩やかだと政府支出の増加により国民所得が増加量が大きい。
・クラウディング・アウト…政府支出が増加した際に利子率が上昇し、それによって民間投資が減少してしまう減少。LM曲線の傾きが急になれば大きい。特にケンブリッジ方程式のように貨幣需要が利子率に影響を受けない場合(LM曲線が垂直)、政府支出を増加は利子率を上昇させるのみで、国民所得にまったく影響を与えない(100%クラウディングアウト)

・IS曲線が緩やかなほど金融政策の影響が大きい
・流動性の罠…貨幣需要の利子率に対する反応度が高い場合LM曲線は水平に近くなる。この場合、貨幣需要量を変化させても利子率が変化することはない。
 →利子率のゼロ制約ゆえに生じる(日本のゼロ金利政策)

4.マクロ計量モデルの役割
・マクロ計量モデル…マクロ経済の構造を消費関数、投資関数、貨幣需要関数といった主要なマクロ経済変数の決定メカニズムによってモデル化したもの。経済構造を調べるのに資する。構造パラメータとも言う。不変のものとして捉える。IS-LM分析へ。
 →より精密な値を出すために巨大化していく
・ルーカス批判「マクロ計量モデルで一定とされている構造パラメータは政策が変更されればその値を変えてしまうので、構造パラメータの値が変わらないという仮定に基づいて政策効果を予測することは正当化されない」

5.マネタリズムの批判
・ミルトン・フリードマン…裁量的な政策よりもあらかじめ定められたルールに基づくべきである。貨幣の供給量はあらかじめ定められた一定の増加率に従って行うべし(=kパーセントルール)。
・有効需要政策に対してマネタリズムは政策のタイミングの問題を指摘する。ある政策を実施する際には、認知のラグ、決定のラグ、実施のラグ、波及のラグ、存在する。従って、不況期に行った政策が景気回復後に効果が現れる、ということが起こり得るのであり、経済が安定化しない。
・フィッシャー方程式、実質利子率=名目利子率-物価上昇率の予想値によると、貨幣需要量の増加は長期的には物価上昇率の増加を生み出すことによって名目利子率の上昇を生み出す。従って貨幣供給量を増やしても名目利子率を望ましい値に下げることはできない。


マクロ経済学入門 第6章 [マクロ経済学を学ぼう]

第6章 乗数理論とIS-LM分析
1.ケインズ経済学
・ケインズ経済学…総需要(有効需要)を増加させることが失業や遊休設備の解消に役立つ。政府の介入の必要性
 →価格が硬直的な短期の現象を説明するものとしてとらえる。
 →乗数理論、IS-LM曲線

2.有効需要原理
…詳しい説明は財政再建①にゆずる。…
・財市場の総需要D、民間消費C、投資I、政府支出Gの関係は
 D = C + I + G
・2章で述べたようにCをケインズ型消費関数で表すと、
 C = A + c(Y - T)  :Tは税
・ケインズ消費関数を財市場の総需要に表すと。
 D = A + c(Y - T) + I + G
・ケインズの有効需要原理のもとでは、実際の総生産Yは常に有効需要に等しくなる(Y=D、ただしこれは価格が硬直的である、短期に妥当する)。
 Y = A + c(Y - T) + I + G
・財市場を均衡させる均衡国民所得をYoとすると、
 Yo = (-cT + A + I + G)/(1-c)

3.乗数理論
・政府支出乗数 1/1-c
・租税乗数   1/1-c
・租税乗数   -(c/1-c)
・均衡予算定理 1

4.財市場とIS曲線
・新古典派の投資理論 利子率iが上昇すると投資Iが減少する
・IS曲線:利子率の上昇は投資の減少を導き、均衡国民所得に影響を与えることを示した、iと国民所得Yとの関数
・この場合、利子率は、投資の利子率に対する反応度が高いほど、緩やかになる。
・ここでGやTが固定されるものでなく、動くとすると、G,Tの動きによってIS曲線は右左に変化する。

5.貨幣市場とLM曲線
・貨幣需要L = L(Y、i) 国民所得Yが変化しないとすると、利子率iは貨幣市場を均衡させるように一意に決定される。貨幣需要とiは負の相関関係。
・実質貨幣供給量が M/Pに等しいものとする。すると、均衡利子率は需要と供給の交点で決定される。
→利子率と国民所得の関係を表した場合、正の相関関係が存在する:LM曲線
・LM曲線はYに伴うLの増加が大きいほど、またはiの減少が小さいほど、その傾きが急となる。

6.IS-LM分析
・IS-LM分析 財市場おける有効需要に国民所得が等しくなるように、または貨幣市場の需給が一致するように、国民所得が決定される。しかし、財市場と貨幣市場は相互に依存すると考えられる。そこで、ISとLMを同一のグラフ上に表現する。

7.IS-LM分析と財政・金融政策
・財政政策 IS曲線に影響
・金融政策 LM曲線に影響


マクロ経済学入門 第5章 [マクロ経済学を学ぼう]


第5章 貨幣の需要と供給

1.貨幣の機能
・価値尺度機能
・交換手段
・価値の保蔵手段 安全資産として人々の資産選択に重要な役割

2.貨幣の概念 何を貨幣というのか?
・現金通貨のみ貨幣とする立場
・現金通貨のみでなく、比較的流動性の強い預金通貨も含める:M1(貨幣の交換機能を重視)
・現金通貨・普通預金に加えて、定期性預金などの準通貨を含める(価値の保蔵機能を重視)

今日一般的な貨幣の定義は、
 貨幣供給量(マネーサプライ)=現金通貨+預金通貨

但し、最近の金融自由化はかつては流動性が低かった定期性預金等の流動性をも高めている。

3.貨幣需要の動機
・取引動機
・予備的な貨幣保有 不測の事態に備える
・資産選択手段 危険資産の収益に伴う不確実性が高まるにつれて大きくなる一方、他の資産の平均収益率が高まると下がる。

4.貨幣需要関数
・ケインズの貨幣需要関数:貨幣需要Lは国民所得Yが増えると増加し、利子率iが上がると減少する
 L = L(Y,i)
・貨幣数量説:貨幣需要は国民所得Yにのみ依存し、利子率に依存しない。
 EX:フィッシャーの交換方程式
    MV = PT
→この場合、Mは一定期間における貨幣流通量、Tは経済全体の実質取引量、Pは一般物価水準を表し、Vは貨幣の流通速度といわれるものになる。そして、MVは一定期間を通じてどれだけ貨幣を用いた取引が行われたかを表し、フィッシャーの交換方程式はMVが経済全体の名目取引量に等しくなること主張する
 →そしてVは短期的に一定である。そしてTがMと独立に動くとすればPはMと同一の割合で動くことになる。「貨幣は物価水準のみを決定する(古典派の二分法)」

・ケンブリッジ方程式:フィッシャー交換方程式の名目取引総額PTは名目国民所得PYとかなり安定した関係をもつと考える。PTをPYと置き換えると、PY=MV、となる。
 流通速度Vの逆数1/Vをkとしたとき、MがPYに比例する関係として、
 M = kPY という式を導ける…ケンブリッジ方程式
 このときのkをマーシャルのkという。

5.貨幣需要関数の安定性
・貨幣経済の安定性 国民所得や利子率が変化しても貨幣需要の変化率は時間を通じて変化しないと考えられてきた。政府が貨幣を需要に合うだけ供給することが重要であり、そのためには貨幣需要が安定しないないと適切な貨幣供給の等が適切に行えなくなり困る。

・1970s半ば以降、アメリカの貨幣需要が不安定に。実際の貨幣量に比べて予測された貨幣供給の値が常に高くなる。予測された貨幣が失われる・・・貨幣紛失
・日本でも1970s後半から同様の事態に。
 ←これらの出来事は、金融自由化・技術革新のために従来流動性が高くなかった定期性預金も流動性が高まったり、様々な金融商品ができたことによる。(貨幣が大きく変化)

6.ハイパワード・マネー
・ハイパワード・マネー(マネタリー・ベース、ベース・マネー)
 ハイパワード・マネー(H)=現金通貨(C)+銀行の預金準備(R)、と定義される。
・そこで貨幣供給量との関係を見ると、
  M = C+D   (C/D)+1  
  H    C+R   (C/D)+(R/D)
という関係が表れる。即ち、HとMの関係は民間の現金・預金保有比率(C/D)と銀行の預金準備率(R/D)に依存する。通常、現金・預金保有比率(C/D)と銀行の預金準備率(R/D)は制度的要因により決まっているので、あまり変化がない。従って、MはHに一定の貨幣乗数mを掛け合わせることによって、
  M = mH と表すことができる。
   ←日銀はHや(R/D)を変化させることによりMを変化させることができる。

7.貨幣供給量のコントロール法
・公定歩合政策
・公開市場操作
・法定準備操作

8.利子率決定理論
・貨幣需要は利子率が上昇すれば減少し、国民所得が増えれば同じく増える。
 →国民所得を一定とすると、利子率と貨幣量に負の相関関係
・貨幣供給は日銀によって利子率と独立にコントロールできる。
 →物価の影響を取り除いた実質貨幣供給量をM/Pとると、Pが一定の場合M/Pは利子率と独立に決定される。
・貨幣需要と貨幣供給は一致している必要があるから、貨幣需要関数L=貨幣供給量M/P、となる。そしてその交点、一致点に利子率は決定される。
・日銀は家計供給量をコントロールすることにより同時に利子率もコントロールできる。

・しかし、このような前提も貨幣需要関数が不安定であるような場合、日銀も十分なコントロールが出来ず、利子率が不安定になってしまう。
・短期的には貨幣需要関数は不安定であり、日銀も短期的には利子率の安定を重視している。しかし、長期的には貨幣需要関数は比較的安定しているから貨幣供給量のコントロールはいまだ需要である。


マクロ経済学入門 第4章 [マクロ経済学を学ぼう]

進めば進むほど前のことを忘れてしまう今日この頃。せめて鳥よりは記憶力が良くありたいと思ふ。

第4章 金融と株価

1.企業の資金調達手段
・マクロ経済全体で見た場合、企業の投資量は家計の貯蓄量と利子率による調整を経ながらバランスしている。
・実際、家計の貯蓄から企業へ、銀行借入・社債の発行、株式発行、という形態を通じて資金が流れている。
・銀行借入は従来の日本企業の基本的な資金調達手段である。この場合、預金者である家計は銀行が資金をどこに調達するのか不明である。銀行のような金融機関を金融仲介機関といい、こうした資金の流れを間接金融という。一方、社債は家計が企業にたいして直接資金を供給することから、この資金の流れを直接金融という。株式は社債と異なり企業の所有権を購入することになる。利子を支払う必要はないが、利潤の一部を配当として支払わねばならない。

2.家計の資産選択
・上記のように家計の資産運用手段はいくつかあることから、資産選択をする必要がある。そこで、考慮されるのは収益性、安全性、である。一般に安全資産(預金等)は収益性が低く、危険資産(株式等)は収益性が高い、という傾向がある。
・そこで、安全資産の利子率をr、危険資産の平均的な収益をRとすると、rとRには、
 R =r +  という関係が存在する。
 →危険資産の平均的な収益率は収益率の不確実を反映し、リスクプレミアムpをだけ、安全資産の利子率よりも高い水準に決定される。

3.株価の決定理論
・今、t期における1株あたりの株価をpt、またt期末に支払われる1株あたりの配当をdtとする。t期からt+1期にかけて株式を保有することによる収益は、キャピタルゲインといわれる株価の値上がり値(pt-1 -pt)と配当の受けり額(dt)の合計となる。

 R = (pt+1 - pt)/(pt) + (dt)/(pt) = r + 

の関係が存在する。
・上式から株価の理論値を計算する。その簡単な式として、企業の配当や株価が時間を通じて変化しないと仮定する。すると、
 pt = d/(r + 
 →株価ptがdに比例すること、rやに反比例する
・一方、上の式をより一般化すると、
 pt = (dt + pt+1)/(1 + r + ) 
 →株価がd、r、以外にも、次回の株価pt+1にも依存している。
 →ここで、tをt+1に、t+1をt+2に置き換える作業を繰り返すと(省略)、株価が現在から将来にかけての配当の割引現存価値として表示でき、現在から将来の配当の加重平均として決定される。加重平均のウェイトは現時の配当が最大であり、遠い将来につれて、そのウェイトが小さくなる。

・現実の株価を見ると、現実の株価の変動は当時の配当だけで説明するにはあまりに大きく、株価の理論値と合致しない。この理由としては、キャピタルゲインのみを目的とした投機の存在があげられる。
・一般に、株価等の資産価格が理論値から乖離して上昇する現象はバブルと言われる。このとき、株価を上げているのは人々の将来の値上がりへの期待のみであり、一度その期待が失われると、逆に株を買おうとする人がいなくなってしまう。80s末の日本の株価はまさにこうした状況にあった。

4.トービンのq理論
・3.によると配当が大きければ株価は上昇する。配当が大きい企業は優良企業である。すると、株価は現在から将来にかけての収益を株式市場が評価した値ということになる。市場の評価が正しい限り、株価の高い企業は設備投資を増加させて生産を拡大すべきだし、そうでない場合は、設備投資を減らし企業の規模を減らさねばならない。
・トービンは以上のことに注目し、

q = 株式で評価された企業の価値 + 負債総額
         資本の再取得価格
 と定義した。
・株式で評価された企業の価値とは、具体的には企業が発行した株価の総額によって評価される。市場での企業評価が正しいとすれば、企業保有の資本ストックを使用し続けた場合今後のどれだけ利益を生むかを表す。一方、分母の資本の再取得価格とは企業の現在保有する資本ストックの全てをそのときの資本財の価格で評価したものである。
・仮に分母が大きくなる場合、そのとき企業が有する資本ストックを使用するより、売却したほうが利益が大きい。トービンのqが1より小さくなった場合、資本ストックを減少させるマイナスの投資を行うべきということになる。そして、逆にトービンのqが1を超える場合、企業は投資を行うべきということになる

5.投資理論の実証分析
・投資理論において最もしっかりとした理論的基礎を有しているのはトービンのqや調整費用モデルである。しかし、現実的なパフォーマンスはより理論的な基礎の弱いジョンゲルソン型の投資理論や、加速度理論のが高い。
・トービンのqの理論モデルが現実に合うようにするには、さまざまな修正を施す必要がある。大きな問題として、市場で評価された企業価値としての株価には設備投資の結果としてのストックのほかに、企業が保有する土地などの他の資産の評価も含まれていることである。これらの評価を鳥の区必要がある。また、国家の税制も考慮する必要がある。
・以上のようにトービンのqはさまざまな調整がひつよなため、結果、研究ごとにさまざまな結果が出てしまう。

6.流動性制約と投資
・これまでの投資理論の説明では、企業の投資の水準は過去の利潤よりも現在から将来にかけての利潤に依存する、と考えるものであった。しかし、現実には投資は企業が現在保有する自己資金の量に依存する自己資金の量に大きく依存する。
・その最大の理由は企業がいつでも自由にお金を借りれるわけではないということにある。将来利益が見込むことのできる企業でも、現在の資産が少ないと十分な借入を行うことは難しい。即ち、家計の消費関数と同様、企業にも流動性制約があることになる。
・この観点からの研究によると、配当が少ない企業ほど流動性制約に直面することが明らかにされている。配当の少ない企業とは急速に収益を伸ばす新興企業が多く、配当が多い企業は以前から業績を上げていた成熟企業が多い傾向がある。新興企業は将来大きい収益を見込むことができるが、多くの場合それは不確実であり、従って、十分に資金を借りることができないのである。

・日本のメインバンク制は企業の流動性制約を最小限にする制度であるとされてきた。日本では、最も貸し出しが多い銀行が企業に継続的に貸出を行い、企業と統合的な取引関係を結んでいることが多い。この場合、企業のモラルハザードが解消されるという利点がある。しかし、近年、メインバンク制のマイナス面として、他の銀行との取引がむつかしくなるなどの弊害も存在する、ことが指摘されている。


マクロ経済学入門 第3章 [マクロ経済学を学ぼう]

やっと4分の1か、まだまだ遠いな。

第3章 設備投資と在庫投資

1.企業の設備投資
・ある時点において企業が保有する建物や機械・設備は資本ストックと呼ばれる。そして、t期において企業が所有する資本ストックの量をKtとすると、t期の企業の投資(It)は、
 It=Kt - Kt-1
・ただし、資本ストックとは、時間がたてば磨耗・陳腐化するので、企業はこれに対応する資本減耗と呼ばれる部分を補う必要がある。そこで、先の式に資本減耗分(dKt-1:dは資本減耗率)を加えて、
 It=Kt - Kt-1 + dKt-1
  =Kt - (1 - d)Kt-1
粗投資…資本減耗分を加えた投資
純投資…資本ストックの単なる増加分、Kt - Kt-1と同じ

・日本の場合、GDPの割合を見ると、民間最終消費支出(約60%)の次に、資本ストックを意味する総固定資本形成が大きな割合を占める(約30%)。其の内、約70%が民間によるものであり、家計における住宅投資と、企業の生産のために行われる設備投資に分けられる。このうち、設備投資が大きな割合を占める。
・民間投資が年によって大きな変化を起こさない一方、設備投資の上下の変動は大きい。従って、設備投資は消費以上にGDPの変化にとって重要である。

2.投資の決定要因
・フロー…ある期間内に行われた経済活動の成果
・ストック…ある特定の時点ですでに達成されている経済活動の成果
・新古典派の投資理論…企業の利潤最大化行動によって投資が決定されるとする。まず、望ましい資本ストックの形成が資本ストックを増加させた場合の収入と費用のどちらが大きいによって決定される。次に、望ましいストックに等しくなるように設備投資が決定される。

3.資本の限界生産性
・資本の限界生産性…資本ストックを追加的に一単位増加させることによって生産量がどれだけ増加するかを表す指標。一般に、設備投資によって生産量が増える可能性は、資本ストックの投入量が小さい場合は大きいが、すでに生産に多くの資本ストックを投入してる場合は相対的に小さくなる。
 →資本の限界生産性の逓減(徐々に減るという意)

4.資本の使用者費用
・資本の使用者費用(レンタルコスト)…資本ストックを一単位使用するのに必要な費用
  レンタルでなくて企業がストックを自ら有している場合も必要。
  資本減耗の費用と利子の費用の2つが考えられる。
・資本減耗の費用…使用している資本ストックが陳腐化し、実質価値が下落することの費用。資本減耗率が大きければ大きいほど、企業の資本の使用者費用は大きいことになる。
・利子の費用…資本ストックを新たに購入する際に必要な資金に対して支払われる利子の費用。仮に自ら保有の資金を使って資本ストックを購入していたとしてもかかる。/

5.望ましい資本ストック
・資本の限界生産性>資本の使用者費用のとき、資本を一単位増加させることによる収入の増加分は、費用の増加分を上回っている。この場合、企業は資本の限界生産性=資本の使用者費用となるまで投資を行うことにより、利潤が最大化される。このときの資本ストックの水準を望ましい資本ストックと呼ぶことになる。
・ここで、利子率が上昇すると、望ましい資本ストックが減少、反比例の関係になる。
・一方、需要の増加、技術向上などにより、資本の限界生産性が上昇した場合、望ましい資本ストックは上昇、正比例の関係になる

6.新古典派の投資理論
・望ましい資本ストックの水準をKtとすると、t期における純投資・粗投資は各々、
 It=Kt - Kt-1
 It=Kt - (1 - d)Kt-1  、として決定される。
・即ち、新古典派によれば現存の資本ストックが望ましい資本ストックの水準を上回る場合、その差額をちょうど補うように純投資が行われる。

7.ジョルゲンソンの投資理論
・現実の投資では、新古典派のいうとおり、企業は瞬時に望ましい資本ストックの水準に一致させることはできないのではないか?
・ジョルゲンソンによると、Kt - Kt-1のがすべて投資される分けではなく、時間やコストの問題から、其の内一部だけが今期のうちに実現されると考えられる。λを投資の調整速度とした場合、
 It=λ(Kt - Kt-1)
 It=λ(Kt - (1 - d)Kt-1)
・この理論について、λは望ましい資本ストックを考慮する際に考慮されるべきものではないか、という矛盾を抱える。

8.調整費用モデル
・調整費用モデル…望ましい資本ストックへの調整スピードが速ければ速いほど、多くの調整費用がかかる、と考える。資本ストックを急激に高める経営能力の向上などそれに見合った努力を行う必要がある。
 →ペンローズ効果、調整費用は投資水準が高まるにつれて、逓増的に増加する。
・企業は望ましい資本ストックを達成するスピードを高めることによる現在から将来にかけての収入増が、それに伴う現在から将来にかけての調整費用の増加にちょうど等しくなるところで投資の決定を行う。
・このように決定される投資理論においては、新古典派と異なり、現在の資本の限界生産性や資本の使用者費用だけでなく、将来のものにまで依存するものとなる。

9.在庫投資
・在庫投資…期間中に販売されなかった製品は、新たな在庫として積み増される。製品在庫、仕掛け品在庫、原材料在庫がある。
・在庫投資…「ある期間中に生産された泡付加価値(生産量)のうち、最終的な利用者に販売されたあら付加価値(販売量)を除いたもの」
 在庫投資=生産量-販売量
・在庫投資は設備投資における割合は小さいが、設備投資よりも大きく変動するので、景気循環の分析において重要な役割を果たす。


マクロ経済学入門 第2章 [マクロ経済学を学ぼう]

第2章 消費と貯蓄はどのように決まるか?
1.ケインズ型の消費関数
・消費関数…マクロ経済全体の消費量がどのように決定されるか?
・ケインズ型消費関数 …消費関数理論の中で基本的なもの
  「消費(C)は現在の所得水準、可処分所得(Yd)で決まる」

 ⇒ C=A+cYd
    
 Aは基礎消費、たとえ可処分所得が0でも消費される
 cは限界消費性向:Ydが限界的に1増えた場合の消費はc増えることを表示。0<c<1であり、これは所得が全て消費に回されるわけではないことを示す。
 
・Aの存在分、可処分所得のうちどれだけ消費に回されたかを示す平均消費性向(C/Yd)は可処分所得が増加するに従い、減少する。

・一方、民間貯蓄をSとした場合、
   S=(1-c)Yd-A 、となる。このとき(1-c)は限界貯蓄性向となる。
 そして、C+S=Yd 、という恒等式が成立する。

2.ケインズ型消費関数の説得力
・クロスセクション・データ(ある時点での異なる人々のデータ)を用いた場合
  →ケインズ型消費関数が妥当
・時系列データ(異なる時点でのデータ)
  →平均消費性向は常に一定

 ⇒長期の消費関数には当てはまらない、が、
  短期の消費関数には妥当する。

3.ライフサイクル仮説
・ケインズ理論が長期に当てはまらない理由その1。
・個人の可処分所得は時に応じて変化するが、各個人にとっては、可処分所得が多い時期にその一部を貯蓄し、可処分所得が少ない時期の消費に回す、消費パターンを平準化したほうが望ましい(消費を増やすことによる満足度、即ち、限界効用は消費量が多いときには小さいときと比べて少ない)。

・人々の消費行動は現時あの可処分所得ではなく、個人の生涯所得によって決定される。
 →消費は短期の所得変動により、大きく変化することはない。
  長期的には、平均的な生涯所得が変動すれば、経済全体の平均的消費量も同じく変動

4.恒常所得仮説
・その2
・消費支出において重要なのは、現時の可処分所得ではなく、将来において稼ぐことのできる可処分所得の平均値としての恒常所得(Yp:一般的に平均給与)である。一方、一時的要因により得られた所得は変動所得(Yt:競馬など)といい、
 Yd=Yp+Yt
となる。そして、消費Cは恒常所得Ypのみに依存する。Ytは主に貯蓄に回される。
 C=kYp
 →変動所得は長期的には差し引き0とみなし得るので、長期的には可処分所得Ydは恒常所得はYpに一致する。可処分所得はと消費には比例の関係が存在する
  しかし、短期的には変動所得が大きく変化することから、短期的に消費が変化しないのに、可処分所得が上下し、平均消費性向も上下に変動。

5.流動性制約
・現実の問題として、消費は現在の可処分所得と独立に決定されるわけではない。
・将来的に収入が見込まれていても、必要なお金を自由に借り入れすることができるわけでは無く、制約されている(流動性制約)以上、人は現在の所得により、消費を決定する場合がある。
 →ライフサイクル仮説が想定するよりも現実の消費水準は小さい。

6.日本の貯蓄率
・日本人の国民貯蓄…家計貯蓄、法人貯蓄、政府貯蓄に分析される。
・1980sまで平均20%あった貯蓄率も90s以降、低下、近年は10%を切るまでに。
・国際的な比較を行うと、1980sまでは日本の国民貯蓄率は先進諸国と比べ圧倒的に高かったが、現在はそうでもない。

7.日本貯蓄率はなぜ高かったか?
・高成長が高い家計貯蓄率をもたらした。
・高い高齢者の貯蓄率
・予備的貯蓄動機と意図しない貯蓄
・意図された遺産(家族内の暗黙の契約、戦略的遺産動機、利他主義的動機)

8.日本の家計貯蓄率はなぜ下落しているのか?
・人口高齢化
・社会保障制度の整備
・制度的要因(少額貯蓄優遇制度(マル優)の廃止、信用市場の発達など)
・景気要因


マクロ経済学入門 第1章 [マクロ経済学を学ぼう]

*読むに当たって;このまとめは初学者が作ったものです。念のため、

  使用する方へ、責任は持てません

  詳しい方へ、間違ってたら教えてください。訂正させていただきます。

尚、ネタは

マクロ経済学・入門

マクロ経済学・入門

  • 作者: 福田 慎一, 照山 博司
  • 出版社/メーカー: 有斐閣
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 単行本

を用いています。全12章構成です

 

第1章.GDP(国内総生産)
1.GDP
・GDP(Gross Domestic Product)国内総生産
  =「一定期間中に一国の国内で生産されたすべての粗付加価値を市場評価して合計した金額(単純にすべての生産額を合計すると、最終完成品と中間生産物の二重計算をしてしまう)」
   …実質的には最終生産物の生産額の合計でも出る
 cf.NDP(国内純生産)=GDPから固定資本減耗を差し引いた金額
            …機械などの資本ストックは使用すると必ず磨耗して減価する

2.三面等価の原則
・生産活動によって得られた富・収入は、その生産に携わった経済主体(労働者・企業等)に報償、要素所得として分配される。従って、総生産=総所得、となる。
 所得を構成するものを分析すると雇用者報酬、営業余剰・混合所得になる。

・一方、分配された総生産は、それがどの様に使われるか、ということから捉えることができる。即ち、支出の合計、見ることができる。
 GDPを支出の観点から捉えた場合、これを国内総支出(GDE)といい、民間最終消費支出(C)、国内総固定資本形成(I)、在庫品増加(N)、財・サービスの輸出(X)、輸入(M)によって構成される。

 GDE=C+G+I+N+X-M

・以上のことから、総生産=総所得=総支出 
の関係が成立している。このことを三面等価の原則と言う

3.GDPの範囲
・GDPはなるべく多くの生産活動を含めるために、原則として、実際に取り市場で取引された財・サービスは原則としてすべて市場価格で評価され、GDPの中に含まれている。
 しかし、中には含まれないものもあり、代表例が主婦の家事労働である。しかし、同じ活動をお手伝いさんを雇えば、市場性があるとしてGDPに含まれる。

・また、実際に市場で取引されなくても生産物に含まれるものがある。行政サービスなどがそれに当たる(人件費等を計算)。
 また、その他にも、農家の自家消費、会社の現物給与、持ち家サービス、等が、帰属価格と言われる価格を当てはめて生産額を計算するケースがある(ex.農家の自家消費の場合、それと同等の農産物の市場価格を帰属価格としてあてはめその生産額評価しGDPに計上)。

・GDPでは生産活動以外によって生み出された価値は含めない。例えば、骨董品の価格の変化がこれにあたる。

4.「国内」と「国民」の概念
・「国内」という場合、日本国内で外国人が行った活動も含まれる。
・一方「国民」という場合、外国人が日本で行った活動が含まれず、日本人が海外で行った生産活動は含まれる。そこで、国民総所得(GNI)は

 GNI=GDP+海外からの所得-海外への所得、となる。

5.名目値と実質値
・GDPは様々な財・サービスの粗付加価値の合計を市場価格で評価したものである。しかし、この場合純粋な経済活動だけでなく、物価上昇による変動の影響も受けている。このようなGDPを名目GDP、という。

・価格変化の要因を取り除くことによって、異なる期間のGDPを図ることができる。そのための方法としては、ある年を基準年として固定して、その年の価格水準で全ての年のGDPを再評価する方法が採られる。このとき再評価されたGDPを実質GDPという。

・また、名目GDPを実質GDPで割る、即ち、名目GDP/実質GDPはGDPデフレーター、と呼ばれる。これは経済全体でどれくらい価格が上昇しているかの指標となる。

6.景気循環
・実質GDP、投資、失業率など、マクロ経済指標の変動が景気循環と言われる現象である。
そして、この複雑なマクロ経済諸変数の変動を総合的に捉えるための指標として、内閣府が公表する景気動向指数がある。


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