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『中国が「反日」を捨てる日』 [書籍:『』「」付記]

だいぶ久しぶりの書評です。

といってもまた中国ネタ


中国が「反日」を捨てる日

中国が「反日」を捨てる日

  • 作者: 清水 美和
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本

やや大げさな感じがしますがちゃんと調べて作った感じのする面白い本だと思います。

今では中国は反日一辺倒だと思われることが多いですが、中国もそんなところだけではない、ということが本書の趣旨です。

とりわけ現在のコキントウ政権は現実的な国益の観点から経済関係を重視し、日本に融和的な政策を採ろうとしていたことを論じています。歴史歴史をいってもしょうがないと考えていたということです。

しかし、軍、そして江沢民ら上海グループが日本に親和的な政策をとることについては反発します。これが小泉さんの靖国参拝で、活発化し、さらに国内ナショナリズムと相まって、靖国問題を取り上げざるを得なくなった、単純に述べれば、こういう流れで書かれています。

コキントウ=親日、江沢民=反日、というのは単純すぎるかな、というようには思いますが(コキントウが靖国を戦略的に用いていない、ということまで断定できませんし。少なく見積もっては、使わざるを得ないし、使えるうちは使っておこう、という感じではあるように思います)、大筋的には妥当なのかな、と思います。すくなくとも現在の中国は一枚岩と見るのは無理があるという意味で、この本が示唆することは重要に思います。

さて帯にセンセーショナルな煽りがありますが、もうひとつ面白い指摘があります。日中両国の反日派、反中派はお互いを批判し、相手がそれで強硬になることで、ますます国内のナショナリズムを高めて、自らの支持を高める結果になっている、ということです。お互い、自分の最大の敵が自らの支持の最大の源泉になってしまっている、ということです。

だから、お互いの友好勢力は協力しよう、ということになるかはさておくとしても、この指摘はなるほど、と思いました。

むなしいことです。不毛です。

 

「お互い」に不毛な原則論をやめればいいのに、特に中国では統治原理と絡む問題であることから、なかなかこの不毛な構造から抜け出せません。日本もここまで来てしまうと引き下がりにくいでしょう。まさに「袋小路」に陥った、ということこの本は指摘しています。

結論は見る人によって意見が異なるように思いますが、丹念に事実が追われているので、その辺の自分の思い込みから結論を作っている主張を見る前に見ておいたほうがよいように思います。

 

おまけ:

産経新聞に日中対立の経済効果が記されてあったので、ついでに載せておきます。

 

反中国感情広がり 関連本出版相次ぐ/旅行30%減

 首相の靖国神社参拝に対する執拗(しつよう)な抗議や昨年4月の反日暴動などを背景に、日本人の間に中国に対する反感が拡大している。内閣府が発表した世論調査では、中国に「親しみを感じない」とした人は63.4%と過去最高になった。中国の歴史や反日意識を検証する関連本の出版が相次ぎ、中国への旅行者は減少、対中ビジネスへの意欲も落ち込むなど、対中関係を企業や個人レベルで見直す流れが加速している。(木綿洋平)

≪専用コーナー≫

 「マオ・誰も知らなかった毛沢東」「マンガ中国入門・やっかいな隣人の研究」「胡錦濤の反日行動計画」「中国『反日』の虚妄」…。大阪市内の大手書店では、中国コーナーに平積みされた三十三冊のうち半分以上が、反日意識や共産党独裁体制を批判的に書いた、いわゆる“嫌中本”だ。中国経済の躍進をたたえるビジネス書などは劣勢を強いられている。

 これは昨年七月に発売されて大ヒットした「マンガ嫌韓流」以来の傾向だという。同書は日韓の歴史問題で韓国を論破する内容で「嫌韓」という言葉を定着させた。「嫌中」はいわば二匹目のドジョウだが、書店は「他国を大っぴらに批判する本はあまりなかった。『嫌韓流』以降、出版社も出しやすくなったのでは」と分析する。

 “暴君”毛沢東を描いた「マオ」は上下合わせ十三万部以上、「中国入門」は十八万部以上発行されている。

≪反日暴動余波≫

 旅行大手のJTBによると、この年末年始、関西国際空港発のアジア旅行客は前年比40%増と好調だったが、中国への旅行者は30%減った。アジアで人気なのは台湾やバンコク。ヨーロッパ旅行も15%増で、中国旅行客の減少が際立つ。「昨夏(七-九月)の前年比40%減に比べれば改善されたが、反日暴動の影響がまだ残っているとしか思えない」と同社。

 近畿日本ツーリストでも、年末年始の中国への旅行客は前年より30%減ったという。同社の渡航先では台湾が30%増。

≪ビジネス低迷≫

 経済発展を続ける一方、人民元切り上げや不安定な社会情勢など、さまざまなリスクが顕著になってきた中国。日本企業には“反日リスク”もある。ジェトロ(日本貿易振興機構)が中国進出企業を対象に行った調査でも、ビジネスマインドの冷え込みが浮き彫りに。

 一昨年十二月の調査で「既存ビジネスの拡充、新規ビジネスを検討している」と答えた企業は86・5%だったのに対し、反日暴動を経た昨年五月に集計した調査では、同じ回答は54・8%に減った。

 中国進出企業のコンサルタント、平沢健一さんは、中国に進出した企業の統計はあっても、撤退はほとんど公表されないのが現状だと指摘。「中国ビジネスの失敗例を、もっとオープンにすべきだ」と訴える。

 「合弁会社の契約上のトラブルが多い。共産党が動かす国のことを、日本企業はほとんど知らない。契約をしっかりしないと、なけなしの資金を失うことになる」

 そう警告する平沢さんだが、これ以上対中感情が悪化することは懸念している。「日本と中国は切っても切れない関係でビジネスパートナーになれる。壁は高いが今後は変わっていくと期待している」と話した。


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