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日本のエネルギー安全保障とロシア石油 [国際法・国際関係]

最近原油の価格が上がっているらしいです。
僕もバイクに入れるガソリンの価格が高くなっていやです。
そんななかでロシア石油について調べてみました。

日本は石油のほとんどを中東に依存しています。しかし、現在の中東は不安定要因を多く有していることを考えれば日本のエネルギー安全保障上、リスク分散のため他の供給地点を設けることは好ましいといえます。
また、現在アジアの石油需要は中国を中心として急増しており、北東アジア全体を見ても益々中東への依存度が高まってしまいます。そうすると中東の石油の余剰生産力は減ってしまい、ひとつのショックで一気に影響が出るかもしれません(日本は石油備蓄を若干してるのである程度耐えれますが)。
そこでひとつ注目できるのがロシアの石油です。
現在ロシアはサウジに並ぶくらい石油輸出国として石油の生産を拡大しています。しかし、ロシアの石油は主に西側、西欧に向いているため東の方のパイプラインは脆弱だといえます。かつてわが国のODAによって作られたパイプラインなどがありますが、中国などで伸びているアジアの旺盛な石油需要に追いつけていません。
ロシアの石油生産量を現在大変多いと見込まれており、International Energy Agencyによればロシアからの石油供給が安定的に確保されれば中東への依存度を11%減らすことができるとのことです。
そこで極東にパイプラインを引こうということになっているのですが、ここで中国との競合が生じるとの話があります。簡単に言えば、問題はロシアからのパイプラインを中国の大慶(大慶ルート)までにするのか、日本の主張するようにナホトカ海(ナホトカルート)まで引くのか、ということです。
ロシアは中国と日本を競わしてアドヴァンテージを握っていたのですが、最近中国のほうに引くことが事実上決まりつつあります。
これをもって日本が中国との石油競争に負けたとの見方もありますが、そのように考えるのは尚早であろうと思われます。
まず第一に考えられなければならないのは、ロシアが大変実利を重視するしたたかな国家であるということです。石油の値段が買い手市場にならいようにして、かつ自らが有利に石油を売るためには日本、韓国に買えるようにしたほうがいいに決まっています。ロシアが中国との友誼を大事にしたなどということはありえないと思います。その辺をよく調べてみるとパイプラインをナホトカ海まで持ってこなくても、大慶ルートからでも船を使って日本に石油を持ってくることは可能です。
違いは石油輸送ルートが中国を通っているか、ということです。この点が日本のナショナリズム的主張を行う人は不満のようですが(そもそも大慶ルートなら日本に石油を持ってこれないと思っている人もいるようですね)しかし、大慶ルートの場合、日本がODAで作ったパイプラインを利用することができるため、ルートの開拓が安く済みます。
加えて考えられるべきことがらは日本はこれから先、石油エネルギー需要が減少していく傾向にあり、ロシアからの石油供給を確保することが緊急の問題というわけではありません。予測では2020くらいになると日本の石油消費量は減少することになります。日本では石油とか資源の問題には過敏になる傾向がありますが(太平洋戦争、石油ショックのトラウマだと思います)、こういったことで無駄にナショナリズムを高める必要はありません。中国とは必死さが違います。東シナ海でもわかるように中国は資源問題について攻撃的です。これは中国の必死さが現れているのです。
従ってロシアからの石油について石油需要が日本より多い中国が多く得るのはむしろ当然であり、むしろ中国がロシアから石油を十分に確保できなければ日本が90%依存している中東の石油にもより入ってくるようになるかもしれません。口の悪い表現をつかえば「近くに飢えて凶暴な犬がいれば、たとえ懐かなくても餌を食わしておとなしくしてしまったほうがよい」、ということでしょうか。
結局そんなにあせらなくてもいいということでしょうか。ロシアは上客のひとつであり、中国を競わせることのできる日本を見逃すはずがありません。(いろいろいった割に中途半端な結論だなぁ)
ただ付言するとシベリア、サハリンにも石油とかが出て、その開発を日本、特に経済界が熱い視線を送っています。日本のエネルギー確保の観点、開発からの利益を考えればよいことのなのでしょうが、北方領土問題のため、これが解決しない限り、政府としては支援しにくい状況にあります。
この前プーチン大統領が訪日しました。北方領土については一切解決しませんでしたが、経済界を中心に経済的な協力の約束を持ち帰ったみたいです。また、中国もシベリア開発に熱心ですので、あまり停滞してると経済利益を失いかねません。
こういったことを見ていると、どんどんロシアに有利なカードがそろっていく感じがして、資源問題はともかく、領土問題について交渉が益々厳しくなっている印象をぬぐえません。私個人としては北方領土は日本に返すべきと思いますが、もう無理なんじゃないのかなーという気がしないでもありません。プーチン大統領は無理っぽいので、ぎりぎりできるとして次の人くらいまでか…うーん、厳しそうだ。


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